予防接種

赤ちゃんの母親からもらった免疫力は日がたつにつれて失われていきます。
その後、赤ちゃん自身で免疫力を作り、病気を予防していきますが、その手助けをするのが予防接種です。入園などに伴い、ウイルスに感染する機会が増えてきます。きちんと理解して、予防するようにしましょう。

予防接種を受けるときの注意点

予防接種は、病気の予防に大きな効果がありますが、その反面、少数ですが副反応が出ることもあります。接種前によく調べ、子どもの体調に合わせて受けるようにしましょう。

  1. 接種前に、病気にかかっていないか。周囲で病気が流行していないか。病気の種類によっては、接種不可能の場合もあります。
  2. 持病やアレルギーがある場合は、事前に専門医にどの予防接種を受けるかを相談すること。
  3. 以前に予防接種でアレルギー症状などが出た場合は、医師に相談を。
  4. ひきつけ・けいれんを起こしたことがある場合は、医師に相談を。
  5. 未熟児で発育が遅れている場合、事前に医師に相談を。
  6. 接種できる月齢・年齢になったら早めに受ける。
  7. 接種前日は、入浴し清潔にしておく。
  8. 接種当日の、子どもの体調をよく見る。体調がすぐれない時は、別の日に。
  9. 接種後は、自宅で安静にしておく。
  10. 接種後、高熱が出るなど異常が見られる場合はすぐに病院へ。
  11. 生ワクチン接種後は、次の接種までに最低4週間以上あけ、不活化ワクチン接種後は、1週間以上あけるように。

予防接種を受ける時の注意点

ポリオ

小児マヒとも呼ばれ、日本での感染はほとんどなくなりましたが、世界ではまだ流行している場所もあります。

ワクチンの種類と接種方法 生ワクチンを経口投与
接種回数 2回(主に春と秋に実施)
対象年齢 生後3ヶ月~7歳6ヶ月(1歳6ヶ月までが望ましい)
注意点 下痢をしていると免疫がつきにくいので、やめておきましょう。
副反応 安全なワクチンですが、50万人に1人程度にマヒが出ることがあります。また、ワクチン投与後の排便から、予防接種をしていない子に感染する場合もあります。

DTP三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)

ジフテリアは、年間10名の患者発生数ですが、窒息死する場合もある恐ろしい病気です。
百日せきは、脳炎や脳症などの重い合併症を起こし、乳児では命を落とすこともあります。
1970年代に予防接種率が低下した時に、患者が多数出ました。破傷風菌は、日本のどこの土の中にもありますので、感染する機会は常にあります。

ワクチンの種類と接種方法 不活化ワクチン+トキソイドを注射
接種回数
1期
初期接種3回(3~8週間間隔)、1年~1年半後に追加接種1回
2期
DT二種混合を追加接種1回
対象年齢
1期
生後3ヶ月~7歳6ヶ月(1歳までが望ましい)
2期
11~13歳(標準は小学校6年生)
注意点 回数が多いので、決められた通りに接種しましょう。
間隔があきすぎたら自分で判断せず、医師に相談します。
副反応 副反応の少ない安全なワクチンを使用しています。
接種したあとが腫れたり、しこりが出ることがありますが、湿布を貼るなどで治まっていきます。

はしか(麻しん)

伝染力が強く、必ずかかると言っていい重い病気です。
現在でも、年間50人の子どもがはしかで亡くなっています。

ワクチンの種類と接種方法 生ワクチンを注射
接種回数 1回
対象年齢 1歳~7歳6ヶ月(2歳までが望ましい)
注意点 入園前に接種するようしましょう。
副反応 発熱・発疹など軽いはしかに似た症状が出る場合があります。まれに、熱性けいれん、ごくまれに脳炎が報告されています。

風しん(三日ばしか)

年長児や大人になってかかると重症になりやすい。
免疫のない人は妊娠前に接種しておきましょう。

ワクチンの種類と接種方法 生ワクチンを注射
接種回数 1回
対象年齢 1歳~7歳6ヶ月(3歳までが望ましい)
注意点 入園前に接種するようしましょう。
副反応 たまに軽い発熱・発疹・リンパ節腫張などがみられます。

日本脳えん

流行は西日本地域が中心になっています。
脳炎にかかった時の死亡率は約15%、後遺症を残す人は約50%です。

ワクチンの種類と接種方法 不活化ワクチンを注射
接種回数
1期
基礎免疫3回(1~4週間間隔で2回、1年後に1回)
2・3期
4~5年ごとに追加接種
対象年齢
1期
基礎免疫は3歳~7歳6ヶ月(3歳に初回が望ましい)
2期
9~13歳未満(標準は小学校4年生)
3期
14~16歳未満(標準は中学校3年生)
副反応 まれに、接種後2日以内に発熱や接種あとが赤くなったり、腫れたりする場合があります。

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