高熱、頭痛、嘔吐、下痢、筋肉痛など、激しい症状の出る感染力の強い風邪です。
潜伏期間 | インフルエンザウイルスの感染により起こり、毎年冬に流行します。 感染後、1~2日で症状があらわれます。 |
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症状 | 高熱、頭痛、嘔吐、下痢、筋肉痛、のどの痛み、せき、鼻水など、普通の風邪より強い症状があらわれます。ほとんどの熱、筋肉痛、頭痛などは3~4日ぐらいで軽くなり、下痢、嘔吐、咳なども1週間くらいで治まることが多いようです。ただし、気管支炎、肺炎、中耳炎などの合併症を伴いやすいので注意が必要です。 近年、小児ことに、幼児がインフルエンザにかかると、まれに急性脳症を併発して死亡するといった問題も指摘されています。 |
治療 | 特効薬はありませんが、風邪と同じように症状を和らげる薬を使用します。症状が強く、合併症を防ぐためにも、早期に病院に行くようにしましょう。 家庭では、安静にし、ウイルスはとても高温・多湿を嫌うので保温、保湿を心がけます。熱は一度下がっても、再度発熱する場合があるので、慎重に対処します。 食事は無理にとらなくてもいいですが、水分補給は十分にしましょう。 子どもは不快感から泣いたりぐずったりしますが、そうすることにより更に喉の炎症が悪化しますので、できるだけあやして早く大人しくさせるようにしましょう。 また、感染力が強いので、通園もしばらくは避けます。 |
予防 | 風邪と同じで、普段から体力をつけ、免疫力を高めることが重要です。 換気後には室内の保湿と、外出から帰った後は、手洗い・うがいを励行します。 3歳以降からは予防接種が行われていますが、接種したウイルスの型と異なったウイルスには感染します。 |
授乳中のお母さんが 感染したら |
母乳に含まれるウイルスより、空気中に存在するウイルスの方が多いので、お母さん自身がつらくなければ、授乳をやめる必要はありません。 ただ、授乳時はマスクをする、爪や指の間、手首まできちんと洗うなどして、感染を防ぐために慎重にしてください。風邪薬を服用する場合は、医師に授乳中であることを必ず伝えましょう。 |
登園時期 | 保育園は、異年齢差も大きく、子ども同士の接触も活発です。病気快復後の登園時期は、お子さんの状態をよく観察し、保育園と連絡を密にとりながら決めていきましょう。 学校健康法では、インフルエンザにかかって治ったときの登園基準は、「解熱後( 熱が下がってから)2日を経過するまで」となっています。 熱が下がったからといって安心してすぐに保育園に来ると、再びぶり返して高熱が出る例もたくさんありますし、無理をして保育園に来ることによって他の子にうつしてしまう可能性もあります。十分注意をしましょう! |
もっとも確実な予防は、流行前にワクチン接種を受けることです。
特に高齢者や、心臓・肺に慢性の病気を持つ人、気管支喘息を持つ小児などには、特に重要です。
風邪やインフルエンザのウィルスは、これぐらい飛びます。
感染している、または感染の疑いがある方は十分に注意しましょう。
耳の下が腫れ、「おたふく」のようになる感染症です。
潜伏期間 | ムンプスウイルスにより感染、潜伏期間は2~3週間です。感染しても症状の出ない不顕性感染の場合(30~40%)がありますが、この場合も免疫力はできます。 感染は、直接の接触と唾液などを介する間接接触や飛沫感染により伝染します。 |
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症状 | 初期に発熱や頭痛を伴うこともあります。耳の下からあごのあたりが、おたふくのように腫れ(両頬でなく片頬の場合もあり)ます。3日目頃が最も症状がきつく、過半数に38~39度の発熱があります。無菌性髄膜炎(10~30人に1人。発熱、頭痛、嘔吐の症状あり。細菌性髄膜炎と類似しているが軽傷で、命にかかわったり、後遺症はない)、難聴などの合併症を起こしやすいので、注意しましょう。免疫が無ければ誰でも罹りますし、大人がかかった場合は男性は睾丸炎を起こし、女性は卵巣炎を起こす場合もありますから、子供の内に罹って、免疫を作ってしまえば、将来不妊などを心配せずにすむでしょう。 |
治療 | 特効薬はありません。解熱剤や鎮痛剤を与えたり、痛みや腫れには冷湿布を貼ったり、冷やしたタオルをあてるなどの症状を和らげる治療を行います。7~10日くらいで腫れはひいてきますが、1週間たっても高熱、吐き気、頭痛がある場合は、必ず病院に行きましょう。食事は、かむと痛むので、やわらかく消化のよいものを与えましょう。 |
予防 | おたふく風邪ワクチンの予防接種(自己負担・任意接種)があります。効果は95%ぐらいで1歳以上なら受けることが出来ます。 |
登園時期 | 学校保健法では耳下腺の腫脹が消失するまでは登園は禁止となっています。治った時には、治癒証明や登園許可書などが必要です。かかり付けの医者に書いていただきましょう。保育園は、異年齢差も大きく、子ども同士の接触も活発です。病気快復後の登園時期は、お子さんの状態をよく観察し、保育園と連絡を密にとりながら決めていきましょう。 |
- 頭痛が強く、何度も吐くとき(髄膜炎を合併することがあります)
- 1週間たっても腫れがひかないとき(他の病気を疑います)
- 熱が5日以上続くとき(他の病気を疑います)
- 耳の下の腫れが赤くなったとき(化膿性耳下腺炎を疑います)
- 睾を痛がるとき(睾丸炎を合併することがあります)
頬がりんごのように赤くなる病気です。
潜伏期間 | ヒトパルボウイルスの感染でおこり、潜伏期間は約2週間。 |
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症状 | 乳幼児から学童期にかかります。保育園・幼稚園・学校で流行することが多く、学校で兄弟がかかり、幼児に感染することがあります。初期に37度くらいの軽い発熱があり、その後、両頬に赤いぽちぽちした発疹が出てりんごのように赤くなるので、この名前がつきました。発疹はだんだん真ん中が薄く、周囲を赤く縁取ったレース模様になるのが特徴です。腕や太股にも網目状の発疹が出ます。発熱やかゆみを伴うこともありますが、一般的には軽い病気で、発疹は自然に消えます。 |
治療 | 特別な治療薬はありません。1週間くらい(長い人は2~3週間)で自然に治ります。発疹の出る1週間前くらいから感染力があり、発疹に気付いた時は、感染する危険はほぼなくなっていますので、隔離する意味はありません。 熱いお風呂に長時間入ったり、日差しや寒冷の刺激を受けると発疹がぶりかえすことがありますが、さほど心配はいりません。保育園へは、頬が赤くなったときは、すでにうつる時期をすぎているので、発熱や他に問題がなければ、行ってもかまいません。 しかし、保育園も集団生活の場所ですので、あまりまっ赤な頬なら2~3日休ませたほうがよいでしょう。登園につきましては各園に確認しておきましょう!(保育園によっては保育園の判断で登園を制限しているところもあります) 予防接種は、ありません。一度かかれば、二度とかからない可能性が高いですが、まだはっきりわかっていないようです。 |
授乳中のお母さんが 感染したら |
妊婦の場合、妊娠初期にりんご病に感染すると、胎児死亡や胎児水腫などの障害が現れることがあります。 感染予防は非常に難しいのですが、できるだけ感染の可能性のある人に近づかない、手洗いやうがいを励行する、マスクを着用する... などが、できる最大限のことでしょうか。 特に妊娠16~24週の方は注意してください。 |
- かゆみが強くなったとき。
- 高い熱が出たとき。
- 元気がなくなってきたとき。
- 外出から帰ったときは、うがいと手洗いをする習慣をつけましょう。
- 食事を作る前や食べる前には必ず手洗いをしましょう。
- トイレの後やオムツを処理した後は必ず手洗いをしましょう。
- 予防接種は感染症を予防する主要な方法の1つです。医師とよく相談のうえ、計画的に受けるようにしましょう。
- 日ごろから十分な栄養と睡眠をとり、規則正しい生活をしましょう。
手、足、口の中に発疹ができ、口の中を痛がる、よだれが出る。夏風邪の一種で5~8月ぐらいに流行します。3~7日の潜伏期間の後、手と足と口に水疱ができるのですが、最初の1~2日の間、熱が出ることもあります。
潜伏期間 | 潜伏期間は3~6日。コクサッキーウイルスやエンテロウイルスの感染で起こります。 |
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症状 | 乳幼児(1~4歳)がよくかかります。手や足の表裏、口の中に生米のような発疹が(おしり、膝にも)でき水疱になります。破れると潰瘍になります。手足の水疱には、痛みやかゆみはありませんが、口の中が痛み、よだれが増えます。発疹は褐色の斑点になって5~6日で消えていきます。 |
治療 | 特別の治療はありませんが、細菌感染を避けるため、患部を清潔に保ちます。1週間(口中は3~4日、手足は7~8日程度)で自然に治りますが、一度は病院に行きましょう。 食事は口の中が痛むので、やわらかいもの、刺激の少ないしみないものを与え、水分補給を十分にします。食後は白湯で口をすすぎ、清潔にします。 また、受診後も高熱が4日以上続いたり、吐き気がある場合、首の痛みが強いときは要注意です。 たまに無菌性髄膜炎、脳炎の合併症もありますので、医師に相談してください。発症時は安静にして、十分な水分補給と栄養補給を心掛けてください。 |
予防 | 感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・接触などの経路により人から人に感染します。感染後2~3 週間くらい、便の中にウイルスが排出されるので、おむつ替え後には忘れずにきちんとした手洗いをしましょう。また、子どもにも手洗いやうがいを励行させましょう。予防接種はありません。 |
登園時期 | 保育園は、異年齢差も大きく、子ども同士の接触も活発です。病気快復後の登園時期は、お子さんの状態をよく観察し、保育園と連絡を密にとりながら決めていきましょう。 手足口病は、現行の学校保健法では学校伝染病第3類の「その他」として解釈されているが、出席停止期間等についての明確な規定はありませんが、各保育園などで出席停止としているところもありますので一度確認しておきましょう! |
乳幼児期に突然死をもたらす症候群です。
症状 | 元気だった赤ちゃんが突然死亡する病気です。英語名の「Sudden Infant Death Syndrome」の頭文字をとって「SIDS」。新生児期から2歳未満に起こるとされ、特に8割が生後6ヶ月までの赤ちゃんに最も多く起こります。欧米では、乳児の死亡原因の第1位です。 現在でもはっきりとした原因は不明ですが、呼吸機能が低下する睡眠中に起こるため、呼吸をつかさどる脳の機能異常ではないかと言われています。日本ではあまりよく知られていませんが、3000人に1人ぐらいの頻度で発症しており、年間500人ぐらいの乳幼児が亡くなっているのです。 |
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予防 | 原因不明の病気のため多くの研究者が解明しようとしていますが、予防方法などは確立していません。 しかし睡眠中に起こるため、赤ちゃんの寝かせ方(うつ伏せ寝か仰向け寝か)と関連づけて考えることがありますが「寝かせ方とSIDSの発生との間には何らかの関係がある」という以上のことはまだ判っていません。 特に以下のことに注意が必要とされています。
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ご家族の方へ | 突然我が子を失った家族、特に母親は自分のせいではないかと罪悪感に悩まされがちです。 しかし、ほとんどの赤ちゃんは、うつぶせ寝でも、人工乳でも、喫煙者が周囲にいてもSIDSにはなりません。危険因子が直接の原因ではありません。何らかの関係があるのではないかとされているということです。SIDSの研究は始まったばかりです。決してお母さんの責任ではないということを覚えていてあげてください。 |
男の子の方が多いのは、SIDSに限らずほとんどの病気にいえます。
これは女性のXX染色体に対し、男性のXY染色体が弱いためと考えられます。
- 女の子より男の子
- 夏より冬
- 第一子より第二子
無呼吸に気づいたら、すぐに赤ちゃんを抱き上げ、背中を叩いて刺激します。それでも呼吸が戻らなければ、大至急、救急車を呼びましょう。
同時に、赤ちゃんの口にものが詰まっていないかを確認してから、鼻を自分の口で覆って、新生児30~60回/分、乳児20回/分、幼児20回/分、小児12回/分です。
ゆっくり、胸が軽く上昇する程度に吹き込みます。最初は2回吹き込みます。このときにあご先を上げておくことを忘れないでください。
発疹とリンパ節がはれるが、症状は軽い。3~4日で回復します。
潜伏期間 | 風疹ウイルスによって感染。感染後2~3週間で、発症。 小さな赤い発疹が全身に出てきます。 |
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症状 | 風疹は、風疹ウイルスの飛沫(咳やくしゃみなどからの)感染によっておこる病気です。 軽いカゼ症状ではじまり、発疹、発熱などが主症状とされており、3日程度でなおるので、一般的には「3日ばしか」とも呼ばれています。軽い発熱を伴い、耳の後ろや首のリンパ節が小指の先ほど腫れます。押すと少し痛みます。はしか同様に小さな赤い発疹が顔から全身にあらわれます。高熱が出ることもありますが、症状は軽く、3~4日で自然に治ります。一度かかると二度とかかりません。 たまに、関節炎、脳炎、貧血、肺炎、出血斑などの合併症を起こすことがありますので、症状が重いときは、必ず病院へ行きましょう。 |
治療 | 熱がなくて元気でも, 発疹が消えるまでは家の中にいてください。 食事その他、いつもと同じ生活でかまいません。熱がなければ入浴も構いません。 |
予防 | 1995年より、予防接種は1歳から受けることができるようになりました。 現在、風疹ワクチンは国が行う定期接種に指定され、男女とも1歳から7歳半までと12歳から16歳未満までは費用は無料です(平成15年9月まで)。平成15年10月からは7歳半までのみとなりそうです。対象年齢をすぎると有料となってしまいます。 大人でも風疹にかかった記憶がない女性は、血液検査で抗体の有無を調べ、妊娠の可能性のない時期に予防接種を受けておくのがおすすめです。 |
授乳中のお母さんが 感染したら |
妊娠初期に感染すると、胎児に先天性の異常が出る場合があります。妊婦が感染して胎児に影響が出る確率は、妊娠1ヶ月以内で約5割、3ヶ月以内で約2割、6ヵ月以降はほぼ安全とされています。 風疹にかかったことのない妊婦は、風疹にかかっている人の近くに行かないこと。また、自分の子どもが風疹にかかっていたら、妊婦に近づけないなどの配慮をしてあげましょう。 |
登園時期 | 病気自体はたいしたことありませんが、他の子どもなどにうつりますので、保育園などへは発疹が完全に消えるまでは行かないようにしましょう。 保育園は、異年齢差も大きく、子ども同士の接触も活発です。病気快復後の登園時期は、お子さんの状態をよく観察し、保育園と連絡を密にとりながら決めていきましょう。 |
- ぐったりして元気がないとき。
- 熱が3日以上続くとき。
風邪に似た症状ではじまる病気です。
潜伏期間 | 麻疹ウイルスに感染して起こり、感染後から発症するまで約10日です。 |
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症状 | 乳児期によくかかる、感染力が強く、重い病気です。初期は風邪の症状に似ていて、38~39度の発熱があり、咳、くしゃみ、鼻水を伴います。口の中の粘膜にコプリック斑という小さな白い斑点があらわれます(※この時期に麻疹ウイルスは、最も他人に感染しやすいとされています)。 3~4日すると一度熱が下がり、再度発熱するときに赤いぶつぶつした発疹が、最初は顔の周辺から出始め、次第に全身に広がっていきます。発疹が出ている4~5日頃が苦しい咳をし、熱が高く、目が充血する最も症状が重い時期です。発疹は1週間くらいで消えますが、色素沈着が1ヶ月くらい残ることがあります。 |
治療 | 有効な薬はありません。高熱が出て、体力を消耗する病気なので、家庭で安静に過ごします。室内の温度、湿度に気をつけて、過ごしやすい環境をつくります。 食欲が落ちるので、喉を通りやすいものを与え、脱水症状をおこさないように水分補給を十分にしてください。昔は、「はしかは冷やしたり、風に当ててはいけない」と言われてましたが、水枕を使用したり、換気をよくするなどして、お子さんの楽になるような状態にしてあげてください。お風呂は熱が下がるまで入らないようにしましょう。 |
予防 | 11歳を過ぎればできるだけ早くワクチンを受けましょう。 |
注意 | 最近ではも昔ほど流行しないので、今のお父さんやお母さんは麻疹の怖さの認識が少ないように思います。いろいろな合併症が起こったり、麻疹そのものが重症化するとしばしば致命的になります。 国内でも年間数万人の患者が発生して50人近くの子供が亡くなっている怖い病気です。保育園などに入園される時には予防接種を受けてから入園しましょう! 日本での麻疹ワクチンの接種率は80%程度です。そのため、毎年数千例の人が麻疹を発症しており、麻疹による死亡者も毎年数十人います。ワクチンの接種率をもっと向上させていけば、麻疹の流行はさらに抑えられるでしょう。予防接種率の高い米国では、国内で発症している麻疹は実に年間数十例に過ぎません。 つまり、日本で麻疹で「亡くなる」人と、米国で麻疹に「かかる」人の数があまり変わりないのです。ワクチンを徹底すれば、麻疹は撲滅することも可能です。 |
登園時期 | 学校保健法による出席停止期間は「解熱した後3日を経過するまで」となっています。 保育園は、異年齢差も大きく、子ども同士の接触も活発です。病気快復後の登園時期は、お子さんの状態をよく観察し、保育園と連絡を密にとりながら決めていきましょう。 |
合併症 | 頻度(発症数 / 患者数) |
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中耳炎 | 8.5~15/100 |
肺炎 | 3.8~7.3/100 |
けいれん | 0.5~1.0/100 |
麻疹脳炎 | 1/1,000~2,000 |
亜急性硬化性全脳炎 | 1/100,000 |
死亡 | 1/10,000~10/100(発展途上国) |